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会社を作る際に決めることは資本金・事業目的・商号(社名)などがあります。いずれも登記変更することが可能ですが、コストと手間がかかるので設立時に計画性を持って決めるようにしてください。資本金・類似の商号に対する注意喚起・事業目的の決め方を特に詳しく解説しています。

会社を作る際に決めること

会社を作る際には資本金や社名、事業目的などを決めておく必要があります。
これらは登記情報になり、設立後に変更することも可能です。
ただし、登記した内容の変更は印紙代と司法書士などへの手数料がかかるため、なるべく変更が必要にならないように決めておくのが理想です。

 

法人登記に必要な情報

会社設立に必要な法人登記
会社を作る際に決めることは、主に法人登記の内容です。
法人登記をするには以下の情報が必要になります。

 

  • 商号(社名)
  • 本店所在地
  • 発起人
  • 取締役
  • 取締役会と監査役の有無
  • 事業目的
  • 資本金
  • 事業年度(会計年度)

 

上記8項目が必須で、法人設立する際は定款の作成・認証をしないといけません。
定款の絶対的記載事項では、商号や本店の所在地、事業目的など会社概要と共通の内容が中心です。

 

定款の相対的記載事項として、現物出資の内容・株式の譲渡制限・取締役の任期などを決める必要が出てきます。
特別なこだわりがなければ相対的記載事項は登記手続きを依頼する司法書士などに相談しながら、無難な内容に設定するとよいでしょう。

 

さらに定款の任意的記載事項として、取締役の人数・役員報酬の計算方法・株式総会開催時のルール・経営理念などがあります。
会社を作る際に決めなくてもいい項目ですが、定款の認証は公証役場で行う必要があり、認証費用だけで5万円かかります。

 

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いずれは細かい部分まで決めておきたいと思っているなら、会社を作る時点で任意的記載事項まで決めておくとよいでしょう。

 

事業目的について

事業目的はやりたい事業について記載する必要があり、設立当初はやらないけど将来的に新規立ち上げを検討している事業内容を書いておくと将来的に役立ちます。
とりあえず幅広い事業目的を書いておく方法もありますが、明確性に欠けていると信頼性に悪影響が出るので注意してください。

 

登記上の事業目的は銀行融資の審査などに影響が出ます。
設立時点で計画性が全くない事業目的は記載しない方が無難です。

 

 

類似の商号を確認する

 

以前は新法人設立時に類似商号調査というものがあり、同じ市区町村内に一部でも同じ事業目的をもった、似ている(または同一の)会社名をもつ会社がある場合は設立できませんでした。
現在の新会社法では、同じ市区町村内でも本店の所在地が違えば、同一または類似商号の会社を設立可能です。

 

ただし、悪意のある類似の商号は設立後にトラブルへ発展するリスクが高いので、他社と勘違いされる恐れがある商号・社名は避けた方がいいでしょう。
悪意がなくても類似の商号を持つ他社と混合する恐れがある社名・商号にしてしまった場合は、損害賠償請求などの訴訟を起こされる可能性があります。

 

法的にはギリギリセーフでも、消費者目線で他社に乗っかって悪意のあるビジネスをしていると勘違いされるリスクもあるので注意しましょう。

 

商号・社名で類似している競合がないか確認するのは非常に重要です。
国税庁の法人番号公表サイトや、Googleなどのネット検索を使って検討している商号・社名が他社と類似していないか確認しておきましょう。

 

資本金について

2006年に最低資本金制度が撤廃され、現在は資本金1円から株式会社を設立できます。
資本金とは、会社設立あるいは増資によって出資者から払い込まれたお金のことで、出資者がいる場合を除いて起業する人の自己資金が資本金となり、代表者が100%株主になります。

 

出資者や共同経営者がいる場合は、株式の持ち分比率で議決権が変わってくるため、慎重に金額と出資割合を決める必要があります。

 

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資本金は会社設立後に増資・減資をすることができますが、登記変更の手続きが必要です。
小規模な会社は小まめに資本金を変更するコスト負担が大きいので、会社を作る時点で自己資金を見ながら資本金を慎重に決めてください。

 

資本金の重要性

資本金は慎重に
資本金は主に信頼性・与信調査・融資を受ける際の審査項目・会社規模を表す指標になり、多い方が有利になります。
税制面は資本金が少ない中小企業の方が優遇されますが、資本金1,000万円以下であれば大きな違いがありません。

 

資本金は発起人銀行口座の残高を参考資料として添付する必要があり、一時的でもいいので設立時に預金残高を増やしておけば資本金を高くすることが可能です。
ただし、資本金に応じて登録免許税などの税負担が増えるので、身の丈にあった資本金にすることをおすすめします。

 

 

株式会社の設立で一定の信頼を得られる

そもそも株式会社を設立する時点で個人事業主や合同会社より信用が高いので、同業他社の金額やホームページなどで資本金を公表する必要性、事業規模などを考慮して決めるとよいでしょう。
ビジネスが順調で手元のキャッシュが増えれば、資本金を増やす増資コストは気になるものではありません。

 

まずは無理のない少額にして、会社の成長に合わせて増資を検討するとよいでしょう。
出資者がいる場合は増資をする方法で資金調達することが可能です。

 

また、新規会社を設立して貸金業の営業を行う場合は資本金5,000万円以上である必要があるなど、業種によっては資本金が許認可をとる条件になります。
業種別に資本金の重要性を調べておくことが大切です。