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貸金業・建設業・宅建業・運送業など許認可が必要なビジネスをまとめました。業種と事業規模によって必要な許認可の種類と要件・難易度が大きく変わってきます。やりたいビジネスによっては資金力などの要件があるので起業する際は情報武装が必須です。

起業してビジネスをやる場合、業種によっては許認可が必要になります。
必要な許認可を取らないでビジネスをするのは違法ですので注意してください。

 

許認可が必要なビジネスとは

 

特別な許認可が必要なビジネス

 

許認可が必要なビジネスの代表事例と、許認可を取るための要件・ハードルの高さをまとめました。

 

貸金業

 

金融系であり、闇金などの違法業者が存在する業界のため、許認可を取る条件が厳しい業種です。
貸金業者として登録する要件は以下の通りです。

 

  • 貸金業務取扱主任者(国家資格)を50人に1人以上置く(常勤)
  • 純資産額5,000万円以上(貸金業を営む期間中はこの額を下回らないこと、法人は資本金5,000万円以上必須)
  • 申請者が法人役員のうちに貸付けの業務に3年以上従事した経験を有する者がいること
  • 営業所等ごとに貸付けの業務に1年以上従事した者が常勤の役員又は使用人として1人以上在籍していること
  • 指定紛争解決機関(ADR)との間で手続実施基本契約を締結すること
  • 指定信用情報機関に加入すること
  • 貸金業法第6条第1項各号の登録拒否要件に該当しないこと

 

参考元URL:https://www.j-fsa.or.jp/association/start/

 

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基本的に個人での新規開業は極めて難しく、現存する貸金業者の多くは古くからの実績があるか大手のバックアップを受けています。
お金(資金力)さえあればできるビジネスで収益性が高いですが、許認可を取るハードルが高いので安易な考えで参入してはいけません。

 

建設業

 

建設現場と女性

 

建設業は営業形態と事業規模、扱う工事内容によって必要な許認可の種類と必要性が変わってきます。
新規参入する際は建築業法で定められたルールを確認し、将来的な計画性をもって許認可の取得を検討してください。

 

許認可不要のケース

 

軽微な建設工事一式
  • 1件の請負代金が1,500万円未満の工事
  • 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延面積が150㎡未満の工事(要件あり)

 

その他の工事(建築一式工事以外)
  • 1件の請負代金が500万円に満たない工事

 

一般建設業の許認可

 

許認可が必要になる主なケース

1件の請負工事が税込500万円(建築一式工事では税込1,500万円以上)など、許認可不要の条件に該当しない場合。

 

許認可の要件
  1. 経営業務管理責任者がいること
  2. 専任技術者がいること
  3. 誠実性があること
  4. 財産的基盤があること
  5. 欠格要件に該当していないこと

 

特定建設業許可

 

必要要件

・下請代金の額(下請契約が2以上あるときはその総額)が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)。
・発注者から直接請負ったもの以外(1次下請業者が2次下請業者に出す場合は契約金額に関わらず特定建設業許可が必要)。

 

許認可の要件
  1. 経営業務管理責任者がいること
  2. 専任技術者がいること
  3. 誠実性があること
  4. 財産的基盤があること(資本金2,000万円以上、純資産合計4,000万円以上など)
  5. 欠格要件に該当していないこと

 

許認可の種類

 

建設業の許認可は大臣許可と知事許可があり、拠点を置く都道府県内のみ営業所を設置する場合は知事許可のみ。
複数の都道府県に営業所を設置する場合は国土交通大臣許可が必要です。
また、それぞれの許認可で、29に分類された業種別に登録しないといけません。

 

宅建業(不動産業)

 

宅建業は許認可を取る要件が厳しく定められていて、以下の要件を満たして申請をしてから、審査だけで4~6週間ほどかかります。
各項目で細かいルールが定められているので、詳細を確認した上で開業へ向けた申請手続きをする必要があります。

 

宅建業の許認可の要件
  1. 欠格事由に該当しないこと
  2. 専任の宅地建物取引士の設置(1つの事務所において従業員5名につき1名以上の割合)
  3. 法令で定められた要件を満たす事務所の設置
  4. 営業保証金の供託(主たる事務所で1,000万円、従たる事務所1店舗につき500万円など)※保証協会への加入(60万円~)でも可能

 

運送業

 

ずらりと駐車された無数のトラック

 

運送業は運賃をもらって荷物を運ぶ場合に許認可が必要で、使用する車両が軽自動車とそれ以外でハードルの高さが違います。
軽貨物と呼ばれる軽自動車を活用した個人事業主としての開業であれば、比較的簡単にできます。

 

また、2022年10月から黄色ナンバーの軽乗用車による貨物配送が解禁されました。
軽貨物は黒ナンバー・黄色ナンバーで運べる荷物の重量制限や任意保険料、車両の乗車定員に違いがあります。

 

軽自動車以外の車両で俗に言う緑ナンバーを取得した運送業を営業する場合は、運送業許可が必要です。
自動車運送事業の許認可は、複数の荷主の貨物を有償で運ぶ「一般貨物自動車運送事業」
特定1社のみの貨物を有償で運ぶ「特定貨物自動車運送事業」
軽自動車や125cc超えの自動二輪車を使って貨物を有償で運ぶ「貨物軽自動車運送事業」の3種類があります。

 

運送業許可を取る要件
  • 資金の要件を満たすこと
  • 運転者5人、運行管理者1人以上、合計6人以上の人員設置
  • 営業所、休憩室の条件を満たすこと
  • 駐車場の条件を満たすこと
  • 車両の条件を満たすこと

 

それぞれ細かいルールが定められていて、都道府県によって車両の条件などに若干の違いがあります。
資金の要件は役員や従業員の給料によって変わってきます。

 

既にトラックなどの車両をローン・リースがない状態で用意できていた場合で、最低1,500万円前後が必要です。
車両がない場合は、ローン・リースの月額費用12ヶ月分が上乗せされます。
駐車場の条件は営業所からの距離や接する道路の幅などが細かく定められています。

 

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緑ナンバーを取得した運送業で許認可を取る際は、細かいルールを確認して要件を全て満たさないといけません。
許認可のハードルが高いため、新規開業する業者の多くは開業する時点で元請になる荷主(仕事を受注できる見込み)を確保できているケースが中心です。

 

業種別のルール確認を!

 

今回は許認可を取るハードルが高い業種を中心にピックアップしましたが、リサイクルショップや買取業をするための古物商は比較的簡単に許認可が取れるなど、業種によってルールと難易度が大きく変わってきます。
やりたいビジネスの業種ごとに許認可を取るための要件とルールを確認しておきましょう。

 

建設業や運送業などは小規模で開業するのは簡単ですが、事業規模を大きくする場合は厳しい要件が定められた許認可が必要になります。
小規模での開業時に必要な要件だけではなく、ビジネスが成長したら必要になりそうな許認可の種類と要件まで確認しておくようにしてください。